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生活保護引下げ違憲訴訟 最高裁原告勝訴
本格的な「生活保障」を求めて 「司法は生きていた」 6月27日,最高裁判所は,2013年から3回に渡って行なわれた生活保護基準の引下げは違法との判断を下した. 全国29地裁,1,000人を超す原告が訴えた「いのちのとりで裁判」は,歴史的な判決を得た. この日は,大阪,愛知高裁の判決だったが,各地の訴訟も同様の結果が見込まれる. やどかりの里からも20人近くが現地に赴き,固唾を飲んで判決を待った. 裁判所前で,「勝訴」,「司法は生きていた」と旗が掲げられると,歓声と拍手が沸き起こった. やどかりの里の人たちも,原告のメンバーを囲み,喜びを分かち合った. 厚生労働大臣の裁量の逸脱を断じる最高裁は,生活保護基準を定めるにあたり, 厚労省が,従来の消費水準ではなく物価下落に着目し,専門部会等で十分な議論や合理的根拠もなく生活保護基準を決めたことについて,「判断の過程及び手続きには,過誤,欠落があったものというべきである」と判断. 2013年からの生活保護基準の処分の取り消しを命じた. 原告側は,基準引下げの根拠とした数字のおかしさなども追求していたが,

永瀬恵美子
2025年8月5日読了時間: 3分


55周年,多くの人が集える「里」に
6月14日(土),2025年度定時総会が開催された. 総会の冒頭で,代表理事・増田一世が挨拶を行い,昨年逝去された前代表理事・土橋敏孝さんの長年にわたるやどかりの里への功績への謝辞を述べた. また,55周年記念として取り組む活動や生活保護違憲訴訟,優生保護法裁判についての取り組みの必要性について共有した. 総会での議案事項であった2024年度事業・決算報告,理事・監事選任,定款変更については,いずれも満場一致で承認された. 新たに理事となった黒田安計さんは,さいたま市で医師としての専門性を生かし,保健所などで勤務された経歴を持つ. また,監事となった小滝敏郎さんは,税理士として障害者施設などの税務経験も豊富であるとのこと. さまざまな経験と見識を持つお二人が法人活動に加わってくださることは大変心強い. 今会は,久々に多くの人が会場に集まり,決議,交流することができた. COVID-19感染拡大以降,十分には得られなかった人とのつながりや交流が戻ってきたことを改めて実感する. 55周年となる1年,この先の未来も見据えつつ,やどかりの里が多

宗野 文
2025年7月9日読了時間: 2分


障害年金不支給の割合が倍増
今,制度の在り方 が問われている 2025 年4月28日,2024年度に障害年金が不支給と判定された人の割合が,2023年度の2倍以上に急増し,約3万人に上るという共同通信の報道があった. 障害年金は,病気やけがによって生活や仕事などが制限をされるようになった場合に,生活保障の1つとして支給される公的年金である. 障害年金を継続して受給するためには,1~5年ごとに障害の状態を確認する手続きがある. 報道によると,障害年金の等級を判定する判定医の判断を,日本年金機構障害年金センターの一部の職員が誘導している可能性があるという. ある日突然,障害年金が支給停止になった約3万もの人たちの生活はどうなっているのだろうか. 複数の障害者団体が「看過できない」「制度への信頼を大きく揺るがす」と疑念や不安の声明を発表した. 国会でも取り上げられ,福岡厚生労働大臣は実態把握に向けて調査し,結果を公表すると表明している. やどかりの里では,2013年に,障害年金を受給していない登録者の生活実態に関するアンケート調査を行った(「響き合う街で」69号,73 号,7

鈴木 裕貴
2025年6月15日読了時間: 3分


深刻化するコメの流通と価格
「いただきます」を 続けるために,エンジュからの呼びかけ 2024 年8月にコメが品薄状態に陥りコメの小売価格が急騰,「令和のコメ騒動」と報じられた. 2025年に入り,コメ騒動が再燃. コメの価格高騰は埼玉県内でも続き,消費者や小売業者を悩ませている. 昨年4月,コシヒカリ(5㎏)のさいたま市内における小売価格は2,000円前半で推移していたが,全国各地で品薄となった昨夏の「令和の米騒動」以降,急上昇し,今年に入り4,000円を超えている. これらを受けて政府は,備蓄米を今年3月,2回に分けて計21万トンを市場に放出した. 農林水産省は,コメの流通の円滑化を目的としているが,価格への影響は依然として不透明な状況が続いている. 昨夏のコメ不足は,新米が出回る前の端境期に起き,政府は当初「新米が流通すれば価格高騰も収まる」と見込んでいたが,新米が出荷された昨秋以降も価格は右肩上がりに上昇し続けている. エンジュは1997年7月から食事サービス事業を開始し,安心・安全な食事を届けることを心がけ活動してきた. 地産地消の取り組みとしてお米は地元の農家

金子 猛
2025年5月15日読了時間: 3分


対話を重ね,60周年をめざした活動ビジョンを描く
創立55周年,総括所見が示す精神医療・保健福祉改革を軸足に Ⅰ 私たちを取り巻く状況 2025年は,やどかりの里の創立55周年であると同時に,第2次世界大戦から80年の節目の年でもある.2024年12月には,世界に核兵器の廃絶を訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞した. 「核兵器のない世界を実現するための努力と,核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきた」ことが評価され,世界における「核のタブー」の醸成に大きな役割を果たしたことが受賞理由とされた. しかし,世界には1万2,000発の核弾頭が存在し,4,000発近くが発射可能な状態で配備されている.核を保有するロシアは,3年に及ぶウクライナ侵攻の中で核による威嚇を続けている. 日本のエネルギー政策においても,政府はこれまでの「原発依存度を低減する方針」から「原発を最大限活用する方針」へと転換した. 東日本大震災から14年が経過した今も,地震・津波と原発事故によって甚大な被害を受けた福島には,未だに帰還困難地域が残り,住民減少が続いて

三石麻友美
2025年4月15日読了時間: 17分


2024(R6) TOPICS
活動方針 やどかりの里の価値を発信し, 未来を展望するすべての人の尊厳が守られる社会を目指して 所報やどかり 「編集後記」より 2025年3月28日(金),生活保護基準引き下げ違憲訴訟「いのちのとりで裁判」の(埼玉訴訟)東京高裁判決「勝訴」(国家賠償請求は棄却)が言い渡されました. 全国29地裁で提起された同種訴訟において,生活保護基準引下げ処分の取消しを認容した控訴審の判決は6件目となります. 10年を超える訴訟の取り組みは機関紙『やどかり』等でレポートしてきました.『響き合う街で112号2025.2月号』でも,訴訟運動全般に関して,詳しく記述されていますので参照していただければと思います. 日本弁護士連合会が提案している「生活保護法改正要綱案(2019年2月14日改訂版)」をご存じでしょうか. この要綱案のポイントは5つの柱からなり, ①権利性の明確化 ②水際作戦を不可能にする制度的保障 ③保護基準の決定に対する民主的コントロール ④一歩手前の生活困窮層に対する積極的な支援の実現 ⑤ケースワーカーの増員と専門性の確保 が掲げられています.

宗野 文
2025年3月31日読了時間: 2分


追悼 土橋敏孝前理事長
地域とつながり,社会福祉の向上を目指して 増田 一世(やどかりの里理事長) やどかりの里の前理事長の土橋敏孝さんが,2024 年7月ごろから体調を崩され,一時期回復されたのですが,残念ながら2024年11月22日に逝去されました. 土橋さんは谷中輝雄さん(やどかりの里元理事長)と同じ,明治学院大学社会学部社会福祉学科の重田信一先生のゼミに所属し,これからは施設ケアではなく地域福祉だと埼玉県社会福祉協議会に勤務されました. 地域で精神障害のある人を支える法制度のない中,常に存続の危機を抱えていたやどかりの里を創設期から理事として支えてきました. 2001年に谷中輝雄さんから理事長を引き継ぎ,2020年まで理事長を務めました. 新潟在住でしたが,理事会はもちろん,毎年開催していたバザーにも必ず参加し,地域の皆さんとの交流も大事にされました. そして何よりもやどかりの里のことを大事に思い,現場を尊重し,現場の私たちが何を思い,どう行動しようとしているのかをまず聴いてくださり,ご自分の意見を話してくださるのです. 最近では時折体調が不安定になることもあっ

やどかりの里
2025年2月15日読了時間: 7分


2023(R5) TOPICS
活動方針 総括所見に照らして やどかりの里の実践を振り返り,展望を描く1年にする 所報やどかり 「はじめに」より 2023年,公益社団法人やどかりの里は,引き続きCOVID-19の影響下の運営を余儀なくされた.この1年も,私たちにとって試練の年となったが,同時に「やどかりの里らしさ」を見つめ直す機会ともなった. 運営上の課題と反省 パンデミックの直接的な影響も続き,登録者の減少,それに伴う報酬費の減少,さらに新規の職員採用が難しいなど,運営面での困難さが生じていた. これらの問題は,やどかりの里が外部に対して自らの魅力や活動内容を十分に伝えていない,または社会の変化や潜在的なニーズへ適切に対応できていなかったのではないか.これらは反省すべき点として理事会や総括会議で議論された. 居場所と仲間づくり かつて,やどかりの里で大切にしてきた「茶の間」は居場所の代表例であった. 「茶の間のおばさん」(柳義子著,やどかり出版,1994年)には,この場所がメンバーにとってどれほど安らげる場所であったかが書かれている. ここでは職員とメンバーの間に壁が
椿原亜矢子
2024年3月31日読了時間: 3分


TTプロジェクトのブログ
未来を拓く つなぐ・つくるプロジェクトのブログ(WIX)を,こちらからご覧いただけます. 活動の様子や新しい試みにふれるきっかけになれば嬉しいです.ぜひチェックしてみてください. 未来を拓く つなぐ・つくるプロジェクト(外部リンク)

やどかりの里
2023年4月2日読了時間: 1分


やどかり出版のfacebook
やどかり出版のFacebookで発信している記事を,こちらのブログでもご紹介しています. 出版の新刊情報や活動の様子など,日々の歩みをぜひご覧ください. やどかり出版(外部リンク)

やどかり出版
2023年4月1日読了時間: 1分


2022(R4) TOPICS
活動方針 地域のつながりを広げ,やどかりの里のこれからを展望する 所報やどかり 「はじめに」より ロシアのウクライナへの侵攻が2022年2月から始まり,1年以上が経過したが, 一向に収まる気配はなく,ロシアによるベラルーシへの戦術核の配置の意向までもが報道されている. また,日本では2022年12月16日に「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」(安保三文書)を閣議決定し,相手のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の保有が明記された. 憲法9条に基づく専守防衛が形骸化されることが懸念され,日本の安全保障戦略の大きな転換点となった. 戦争は一度始まると簡単には終えられない.そして,人々のいのちが脅かされ,数えきれない犠牲者が出る. 2022年末,テレビ番組であるタレントが司会者に「来年はどんな年になりますかね?」と聞かれ,「新しい戦前になるのではないでしょうかね」と答えたという. 平和主義を掲げてきた日本のあり方が根幹から覆されそうにある今,私たち1人1人にこの国のあり方が問われている. 2020年初頭頃から国内外で猛威を振る
椿原亜矢子
2023年3月31日読了時間: 3分


2021(R3) TOPICS
活動方針 誰のいのちも等しく大切にする社会を目指して 共感者を広げる活動づくり 所報やどかり 「はじめに」より オンライン会議や研修などが日常的に行われるようになった.移動や会場の規模などを気にすることなく,パソコンなどの媒体とインターネットが使える環境があれば,誰でも行うことができるため,多くの人たちがさまざまな場面で活用している. また,スマートフォンの普及により,手軽にさまざまな情報を得ることができるようになっている. 現代では,情報は与えられるものではなく,自分から手に入れるものになってきた. 私たちの暮らしや活動は,社会のありように影響を受け,現在は,「新しい生活様式」を求められている.世界全体が困難な状況にある中,私たちの暮らしやいのちが守られる社会になっているのか,不安を感じずにはいられない1年であった. 日本では,4回目の緊急事態宣言が発令された中で,1年延期された第32回オリンピック競技大会(2020/東京),東京2020パラリンピック競技大会が開催された. 大会には,205か国・地域と難民選手団から選手約1万1,000人

宗野 文
2022年3月31日読了時間: 3分


2020(R2) TOPICS
活動方針 歴史を学び 未来に生かす地域の中で支え・支え合う活動を 所報やどかり 「はじめに」より やどかりの里は50周年を迎えた.これまで節目となる時期に,記念誌を出版してきた.この50年を改めて辿ってみたい. 1970年8月,旧大宮市の七里に,「中間宿舎」を開設,「やどかりの里」が出発した. 1973年,社団法人認可にあたり,精神科病院協会はじめ近隣の精神病院長に協力依頼に回った谷中輝雄氏は,「おそらく長く続くまい」と言われた. どこからもお金は出てこないよ,と.財政危機に直面したやどかりの里は,1975年,「5年間の経過を世に問い,生きた証を作っておこう」と,精神衛生実践セミナーを開催.『「精神障害者」の社会復帰への実践−「やどかりの里」の試み−』(1986)をまとめた. このセミナーで,谷中氏が「現在のままだと,今後持ち堪えられるのは2年ぐらいではないか」と発言. 存続の危機に,メンバーはやどかりの里の灯を消すまいと,バザーや請願行動に取り組んだ. また,「自分たちの声も取り上げる機会が必要ではないか」と,第2回実践セミナーを開催し,『や

宗野 文
2021年3月31日読了時間: 3分


2019(R1) TOPICS
活動方針 未来を拓く つなぐ・つくるプロジェクト始動 所報やどかり 「はじめに」より やどかりの里は精神障害のある人が福祉施策の対象とならない時代から,彼らの「ごく当たり前の生活」の実現を目指し活動を開始した.そして2020年,創立50周年を迎えた. 1970年,民間精神科病院のソーシャルワーカーであった故谷中輝雄氏が院外作業先であった工場の2階を借りて中間宿舎の取り組みを始めたのが,やどかりの里の出発である. 閉鎖的な精神科病院の中で長く過ごした人の多くが日常生活の感覚を奪われていた. 彼らの「生活のしづらさ」への支援,やどかりの里の活動の大きな目標となった. その後の生活支援活動の充実と労働支援活動の広がりは,メンバーがどう生きるかの選択肢を広げ,多様な生き方を支えてきた. 30周年を記念して行われたメンバーと職員への生活状態調査から,長年の実践を通して築いてきた価値観を普遍化し,競争優先ではない社会をつくることがやどかりの里の使命であることが導き出された. やどかりの里には,過酷な体験をしてきた精神障害のある人が自分を取り戻す時間と空

宗野 文
2020年3月31日読了時間: 3分


温故知新 懐しいあの頃
30周年を機に,活動を振り返る企画「温故知新」.4期に分けて,関わった人から当時のお話を聞き,イラストでまとめました. 関わった人から聞かなければ知らなかったエピソードや思いをたくさん聞くことができました. 聞いた話を少しでも多く皆さんにお届けしたいと描いていたら,見開きページびっしりに… おまけに描ききれず,号外まで. 今のやどかりの里は,活動当初から関わってきた人たちの熱い想いとたくさんのエピソードが積み重なってつくられているんだなということを実感. 今やどかりの里にいる私たちは,その思いを受け継いでいるんだなと毎号毎号感じさせられました. 細かくて見づらいですが,1つ1つのエピソードを楽しく見ていただければ嬉しいです. 温故知新Part1 温故知新Part2 温故知新Part3 温故知新Part4+番外編 (宗野 文)

宗野 文
2000年4月1日読了時間: 1分
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