障害年金不支給の割合が倍増
- 鈴木 裕貴

- 2025年6月15日
- 読了時間: 3分
更新日:2月21日
今,制度の在り方 が問われている
2025 年4月28日,2024年度に障害年金が不支給と判定された人の割合が,2023年度の2倍以上に急増し,約3万人に上るという共同通信の報道があった. 障害年金は,病気やけがによって生活や仕事などが制限をされるようになった場合に,生活保障の1つとして支給される公的年金である.
障害年金を継続して受給するためには,1~5年ごとに障害の状態を確認する手続きがある.

報道によると,障害年金の等級を判定する判定医の判断を,日本年金機構障害年金センターの一部の職員が誘導している可能性があるという.
ある日突然,障害年金が支給停止になった約3万もの人たちの生活はどうなっているのだろうか.
複数の障害者団体が「看過できない」「制度への信頼を大きく揺るがす」と疑念や不安の声明を発表した.
国会でも取り上げられ,福岡厚生労働大臣は実態把握に向けて調査し,結果を公表すると表明している.
やどかりの里では,2013年に,障害年金を受給していない登録者の生活実態に関するアンケート調査を行った(「響き合う街で」69号,73 号,74号参照).
当時の登録者319名のうち,119名が障害年金を受給していない状況で,そのうち,80名にインタビュー形式でアンケート調査を行った.
生活保護を受けていない人(63%)のうち,72%が家族同居で,77%が親または兄弟からの援助を受けて生活していた.
そして,「親の援助だから負い目を感じる」「親亡き後,自力で生計を立てていけるか」などの不安を抱えていた.
また,「本当に困っている人が使えるように,漏れのない制度にしてほしい」「障害年金制度を知らなかった.周知をして欲しかった」「生活保護ではなくて障害年金で暮らしたい」「診断名ではなく,その人の状態にあわせた決定をしてほしい」「きちんとした所得保障制度を作ってほしい」など,所得保障制度への切実な要望もあった.
国連障害者権利委員会の総括所見(2022年)でも,障害年金の支給額について障害者団体と協議するよう勧告されている.
障害年金は,設定の仕組みやその支給水準に大きな課題を抱えているが,障害のある人にとって,生活や人生を支える重要な経済基盤である.
それをあいまいな認定基準の中で,恣意的に操作されているとしたら,座視できない.
年金制度は5年ごとに見直しがされる.
障害年金法研究会から2025年年金制度改革への提言書を提出するなどの動きもあったが,2025 年度の改正については,十分な議論がなされず,先送りになっている.
しかし,5年後の改正を待っていていいのか.
やどかりの里としては,他団体との学習や運動の機会に積極的に参加して問題意識を深め,実情を把握し,障害のある人の所得保障のひとつとして,1日も早く,成人期の障害のある人が親からの独立が可能となる障害年金制度の確立を目指した取り組みを進めていきたい.
(鈴木 裕貴)

機関紙やどかり 6月号 <目次> 1.障害年金不支給の割合が倍増 今,制度の在り方が問われている(鈴木裕貴) 2.東日本大震災から14年 ふくしかから学ぶ(堤若菜)
3.第21回メンバー交流会報告 春のスポーツ大会(松本佑樹) 4.1人1人が主役のおまつり アートフルゆめまつに参加(本多真季)
5.キラッと光る魅力発信 やどかりの里と地域のつなぎ役 金銅孝さん(渡辺仁)
6.やどかりミーティング 詐欺に遭わないために(常盤英佑)
7.やどかりの動き
8.やどかり日誌
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