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特集記事


緊急声明
生活保護引下げ違憲訴訟最高裁判決を遵守し 生活保護利用者の被害回復,全面補償を求めます 生活保護制度は,障害のある人が親元を離れて自立生活を始めるとき,暮らしを支える大切な制度です. しかし,2013年からの大幅な引下げにより,日々の食費や光熱水費のやりくりを一層強いられ,友人や親戚との交流,趣味を我慢し,精神的,社会的ダメージを受け続けてきました. 2025年6月27日,最高裁判所は,2013年から行われた生活保護基準の引下げは違法であるとし,原告勝訴,国側に処分の取り消しを命じました. 原告を擁するやどかりの里も,10年に渡る裁判の結実を喜び合いました. しかしながら,最高裁判決後の国,厚生労働省の態度に,私たちは落胆しました. 総理大臣,厚生労働大臣は原告に真摯に向き合っていません. 国は原告に謝罪もせず,「最高裁判決への対応に関する専門委員会」を立ち上げました. 本来であれば,最高裁判決後,まず裁判の当事者同士が顔を合わせ,国は原告に対して非があったことを認め,謝罪し,今後の対応について意思表明すべきです. そして,専門委員会では,原告側

やどかりの里
1月15日読了時間: 3分


大地を踏みしめて生きる
青森県の下北半島尻屋崎に年間通して放牧されている「 寒立馬 」がいる. 寒風の中,雪に埋もれた草を食み,厳寒を生きる. 2026年は午年,草原を疾駆する馬もよいが,このどっしりと生きる姿に励まされる. 大地をしっかり踏みしめて生きている. やどかりの里の活動も颯爽ととは言い難く,泥臭く,迷いつつ,関わる人たちでワイワイガヤガヤ議論しながら,方向性を見出してきた. 正しい答えなどどこにも用意されていない.でも,これからどう歩むかは考えていかなくてはならない. そのために3つの調査(職員,メンバー,家族)を行った. これからはその3つの調査を共有しながら,やどかりの里で大切にしていくこと,目指していくことを話し合いを重ねながら,見出していく. 今回実施した調査は,状態調査といわれていて,お話を聴く際のおおよその柱建てはあるが,話し手が本当に話したいことを探り当てる調査でもある. 話し手の人生に耳を傾け,その人がどのような社会の中で生きてきたのか,社会のあり方が浮き彫りになるような調査でもある. 55年の節目に「 もう1つの価値を生きる 」(やどかり出

増田 一世
1月14日読了時間: 2分


55周年を大きな節目として未来へ
たくさんの「つながり」に感謝して 2025 年11月21日,ベルヴィ大宮サンパレスにおいて,やどかりの里55周年記念式典及び祝賀会を開催. 50周年は,コロナ禍で開催自体が懸念されたが,1年遅れでオンラインでの開催となったため,対面での式典は,実に10年ぶりということになる. 当日は,来賓の方をはじめ,メンバー,家族,職員,関係者,地元企業や団体の皆さま,自治会の方々など,多くの方に会場に足を運んでいただき,55年の歩みをいっしょに振り返りながら,やどかりの里が大切にしてきた思いや願いをメッセージとして届ける時間となった. 祝賀会では,山﨑勇実行委員長から「やどかりの里の理事として外部から関わるようになって7年経ち,なかなかわからなかったやどかりの里の正体が見えてきた」と挨拶. その正体とは,やさしさの塊であるということだった. やさしさとは弱さともとれるが,やさしさが集まって塊になることで強さになるのだと語られ,参加者の共感の思いが大きな拍手となって会場に響いた. そして,オカリナとピアノ演奏の音色に引き込まれながら,歌声と拍手の中,参加者の

大澤 美紀
2025年12月15日読了時間: 3分


野音に響いた声を胸に
これからも声を上げ続ける 2025 年 10 月より,日比谷野外音楽堂(以下,野音)が建て替えのため使用休止となりました. この場所は音楽や芸術の舞台であると同時に,人権を守る社会運動の場としても重要な役割を果たしてきました. 2006 年には障害者自立支援法(現障害者総合支援法)の見直しを求める「出直してよ!10.31 大フォーラム」が開催され,全国から約 15,000 人が集まりました. 2022 年には「優生保護法問題の全面解決をめざす 10.25 全国集会」が開かれ原告や支援者が声を上げました. 生活保護基準引き下げ違憲訴訟に関連する集会も複数回にわたり開かれ,憲法 25条の生存権を守る訴えが響き渡りました. 忘れてはならないのが,2014 年に開催された「生活するのは普通の場所がいい STOP 精神科病棟転換型居住系施設‼ 6.26 緊急集会」です. 精神障害領域での野音集会としては初めての開催でした. 病院敷地内に居住施設を設けることは地域移行とは言えず,障害者権利条約の理念「地域での自立した生活」に反しており,人権意識が欠如している

堤 若菜
2025年11月20日読了時間: 3分


広がる交流の輪,広がる希望
「明日への希望」をのせて走るキッチンカー つなぐ・つくるプロジェクトにおけるキッチンカーのレンタル運用から端を発し,寄付を募り,設計製作も行い,これらの活動を通して多くの方々の協力のもとに出会いと交流の輪が広がっています. ルポーズで本格運用を開始して2年が過ぎましたが,「ぜひイベントに参加しませんか」 というお誘いの声を多数いただき,秋のシーズンにはお断りすることもあるほど広く知られるようになりました. 断熱素材を組み込み,調理環境にも配慮し,自分たちの手で製作できるようキット化された設計をしてくださった 都祭設計事務所 と,製作場所や工具,職人の方々までご協力いただいた 山崎工務店 の皆さまには,この場を借りて改めてお礼申し上げます. 始まりは軽トラックでしたが,現在は普通トラックに入替え,6名で販売に行けるまでになりました. この人数の増加によって,販売品目の拡充や販売時間の調整も可能となりました. 昨年度は行政,学校,自治会,各種事業所でのイベントに18回出店しました. 店舗休日での運用が中心となり,営業日との同時運用が今後の課題です..

田中 学
2025年10月16日読了時間: 3分


伝える,つながる,ひろがる
やどかりの里ホームページ リニューアル やどかりの里のホームページが,このたび全面的にリニューアルしました. 今回のリニューアルは,広報委員会が中心となって進めてきました. やどかりの里の思いや日常を,もっと身近に,わかりやすく伝えたい. その思いから構成や内容を一から見直し,手探りでかたちにしてきました. 55 周年という節目に,これまでの歩みを整理し,これからのつながりをひろげる入口にもしたいという願いが込められています. これまで,「やどかりの里のことがわかりづらい」という声をいただくことがありました. 活動の多くが,何気ない日々の暮らしや,地域とのさりげない関わりの中にあるため,外からは見えにくいのかもしれません. また,「とも育ち」や「ごくあたりまえの生活」など,やどかりの里ならではの言葉や,福祉の分野で使われる専門的な表現に,少し戸惑う人もいらっしゃるようです. だからこそ,そうした日常の営みや言葉の背景にある想いを感じてもらえるように伝えることが,広報委員会の大切な役割だと考えています. ページのデザインは,市内在住のデザイナー・安

宗野 政美
2025年9月14日読了時間: 3分


生活保護引下げ違憲訴訟 最高裁原告勝訴
本格的な「生活保障」を求めて 「司法は生きていた」 6月27日,最高裁判所は,2013年から3回に渡って行なわれた生活保護基準の引下げは違法との判断を下した. 全国29地裁,1,000人を超す原告が訴えた「いのちのとりで裁判」は,歴史的な判決を得た. この日は,大阪,愛知高裁の判決だったが,各地の訴訟も同様の結果が見込まれる. やどかりの里からも20人近くが現地に赴き,固唾を飲んで判決を待った. 裁判所前で,「勝訴」,「司法は生きていた」と旗が掲げられると,歓声と拍手が沸き起こった. やどかりの里の人たちも,原告のメンバーを囲み,喜びを分かち合った. 厚生労働大臣の裁量の逸脱を断じる最高裁は,生活保護基準を定めるにあたり, 厚労省が,従来の消費水準ではなく物価下落に着目し,専門部会等で十分な議論や合理的根拠もなく生活保護基準を決めたことについて,「判断の過程及び手続きには,過誤,欠落があったものというべきである」と判断. 2013年からの生活保護基準の処分の取り消しを命じた. 原告側は,基準引下げの根拠とした数字のおかしさなども追求していたが,

永瀬恵美子
2025年8月5日読了時間: 3分


55周年,多くの人が集える「里」に
6月14日(土),2025年度定時総会が開催された. 総会の冒頭で,代表理事・増田一世が挨拶を行い,昨年逝去された前代表理事・土橋敏孝さんの長年にわたるやどかりの里への功績への謝辞を述べた. また,55周年記念として取り組む活動や生活保護違憲訴訟,優生保護法裁判についての取り組みの必要性について共有した. 総会での議案事項であった2024年度事業・決算報告,理事・監事選任,定款変更については,いずれも満場一致で承認された. 新たに理事となった黒田安計さんは,さいたま市で医師としての専門性を生かし,保健所などで勤務された経歴を持つ. また,監事となった小滝敏郎さんは,税理士として障害者施設などの税務経験も豊富であるとのこと. さまざまな経験と見識を持つお二人が法人活動に加わってくださることは大変心強い. 今会は,久々に多くの人が会場に集まり,決議,交流することができた. COVID-19感染拡大以降,十分には得られなかった人とのつながりや交流が戻ってきたことを改めて実感する. 55周年となる1年,この先の未来も見据えつつ,やどかりの里が多

宗野 文
2025年7月9日読了時間: 2分


障害年金不支給の割合が倍増
今,制度の在り方 が問われている 2025 年4月28日,2024年度に障害年金が不支給と判定された人の割合が,2023年度の2倍以上に急増し,約3万人に上るという共同通信の報道があった. 障害年金は,病気やけがによって生活や仕事などが制限をされるようになった場合に,生活保障の1つとして支給される公的年金である. 障害年金を継続して受給するためには,1~5年ごとに障害の状態を確認する手続きがある. 報道によると,障害年金の等級を判定する判定医の判断を,日本年金機構障害年金センターの一部の職員が誘導している可能性があるという. ある日突然,障害年金が支給停止になった約3万もの人たちの生活はどうなっているのだろうか. 複数の障害者団体が「看過できない」「制度への信頼を大きく揺るがす」と疑念や不安の声明を発表した. 国会でも取り上げられ,福岡厚生労働大臣は実態把握に向けて調査し,結果を公表すると表明している. やどかりの里では,2013年に,障害年金を受給していない登録者の生活実態に関するアンケート調査を行った(「響き合う街で」69号,73 号,7

鈴木 裕貴
2025年6月15日読了時間: 3分


深刻化するコメの流通と価格
「いただきます」を 続けるために,エンジュからの呼びかけ 2024 年8月にコメが品薄状態に陥りコメの小売価格が急騰,「令和のコメ騒動」と報じられた. 2025年に入り,コメ騒動が再燃. コメの価格高騰は埼玉県内でも続き,消費者や小売業者を悩ませている. 昨年4月,コシヒカリ(5㎏)のさいたま市内における小売価格は2,000円前半で推移していたが,全国各地で品薄となった昨夏の「令和の米騒動」以降,急上昇し,今年に入り4,000円を超えている. これらを受けて政府は,備蓄米を今年3月,2回に分けて計21万トンを市場に放出した. 農林水産省は,コメの流通の円滑化を目的としているが,価格への影響は依然として不透明な状況が続いている. 昨夏のコメ不足は,新米が出回る前の端境期に起き,政府は当初「新米が流通すれば価格高騰も収まる」と見込んでいたが,新米が出荷された昨秋以降も価格は右肩上がりに上昇し続けている. エンジュは1997年7月から食事サービス事業を開始し,安心・安全な食事を届けることを心がけ活動してきた. 地産地消の取り組みとしてお米は地元の農家

金子 猛
2025年5月15日読了時間: 3分


対話を重ね,60周年をめざした活動ビジョンを描く
創立55周年,総括所見が示す精神医療・保健福祉改革を軸足に Ⅰ 私たちを取り巻く状況 2025年は,やどかりの里の創立55周年であると同時に,第2次世界大戦から80年の節目の年でもある.2024年12月には,世界に核兵器の廃絶を訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞した. 「核兵器のない世界を実現するための努力と,核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきた」ことが評価され,世界における「核のタブー」の醸成に大きな役割を果たしたことが受賞理由とされた. しかし,世界には1万2,000発の核弾頭が存在し,4,000発近くが発射可能な状態で配備されている.核を保有するロシアは,3年に及ぶウクライナ侵攻の中で核による威嚇を続けている. 日本のエネルギー政策においても,政府はこれまでの「原発依存度を低減する方針」から「原発を最大限活用する方針」へと転換した. 東日本大震災から14年が経過した今も,地震・津波と原発事故によって甚大な被害を受けた福島には,未だに帰還困難地域が残り,住民減少が続いて

三石麻友美
2025年4月15日読了時間: 17分


追悼 土橋敏孝前理事長
地域とつながり,社会福祉の向上を目指して 増田 一世(やどかりの里理事長) やどかりの里の前理事長の土橋敏孝さんが,2024 年7月ごろから体調を崩され,一時期回復されたのですが,残念ながら2024年11月22日に逝去されました. 土橋さんは谷中輝雄さん(やどかりの里元理事長)と同じ,明治学院大学社会学部社会福祉学科の重田信一先生のゼミに所属し,これからは施設ケアではなく地域福祉だと埼玉県社会福祉協議会に勤務されました. 地域で精神障害のある人を支える法制度のない中,常に存続の危機を抱えていたやどかりの里を創設期から理事として支えてきました. 2001年に谷中輝雄さんから理事長を引き継ぎ,2020年まで理事長を務めました. 新潟在住でしたが,理事会はもちろん,毎年開催していたバザーにも必ず参加し,地域の皆さんとの交流も大事にされました. そして何よりもやどかりの里のことを大事に思い,現場を尊重し,現場の私たちが何を思い,どう行動しようとしているのかをまず聴いてくださり,ご自分の意見を話してくださるのです. 最近では時折体調が不安定になることもあっ

やどかりの里
2025年2月15日読了時間: 7分
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