2022(R4) TOPICS
- 椿原亜矢子
- 2023年3月31日
- 読了時間: 3分
更新日:2月21日
活動方針
地域のつながりを広げ,やどかりの里のこれからを展望する

所報やどかり「はじめに」より ロシアのウクライナへの侵攻が2022年2月から始まり,1年以上が経過したが,
一向に収まる気配はなく,ロシアによるベラルーシへの戦術核の配置の意向までもが報道されている.
また,日本では2022年12月16日に「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」(安保三文書)を閣議決定し,相手のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」の保有が明記された.
憲法9条に基づく専守防衛が形骸化されることが懸念され,日本の安全保障戦略の大きな転換点となった.
戦争は一度始まると簡単には終えられない.そして,人々のいのちが脅かされ,数えきれない犠牲者が出る.
2022年末,テレビ番組であるタレントが司会者に「来年はどんな年になりますかね?」と聞かれ,「新しい戦前になるのではないでしょうかね」と答えたという.
平和主義を掲げてきた日本のあり方が根幹から覆されそうにある今,私たち1人1人にこの国のあり方が問われている.
2020年初頭頃から国内外で猛威を振るったCOVID-19は,約8回の感染拡大を繰り返しながら,国内の死亡者数累計は,73,764人(2023年3月27日現在/NHK特設サイトより)になった.
そして,5月8日から,感染症法上,これまでの第2類から第5類に引き下げられることになる.
やどかりの里においても,危機管理委員会が中心となって感染症対策を法人全体で取り組んできた.
2類が5類になっても,大切にすることは変わらず,やどかりの里のメンバーや家族,職員がいのちや健康を守って暮らせるよう,必要な情報を得て,共有し,話し合いながら,柔軟に感染症対策を行っていく.
COVID-19の第6~8波の感染拡大があった2022年度は,感染症対策を行いつつ,対面で話し合い,活動づくりを進めてきた.
2023年3月4日に開催した,やどかり研究所報告・交流集会で,藤井達也さん(泉地域精神保健福祉研究所)が,やどかりの里の実践報告を受け,「居合わせる」という言葉でやどかりの里が大切にしてきたことを言い表してくれた.
COVID-19はたくさんの分断を生み出してきたが,やどかりの里の実践そのものが,場に「居合わせる」ことを大切にして,人との関わりやつながり,そこから生まれるものに価値を見出してきた.
生活者の目線で,ともに働き,活動し,過ごすことで,関わる皆が成長し合ってきた.
2019年度から取り組んできた,「未来を拓く つなぐ・つくるプロジェクト」も3年間の助成期間を終え,2023年度より新たな拠点を開設し,地域の中での居場所,働く場づくりに新たな1歩を踏み出すことになった.
地域の中に多様な場をつくりながら,誰も取り残さない社会,誰もが安心して暮らすことのできる地域を,これから出会う人たちともいっしょに創っていきたい.
その一方で,2023年2月,東京都八王子市にある滝山病院で入院患者に対して長年に渡り虐待や暴行が行われていたことが明らかになった.
事件の深刻さと問題の大きさに衝撃を受けた.
戦争は最大の人権侵害と言われるが,私たちの関わりの深い精神科医療においても,看過できない人権侵害が後を絶たない.
やどかりの里は,今から52年前の1970年に,精神科病院への社会的入院をなくしたいと,地域での実践を進めてきたが,隔離収容や人権侵害など精神科医療の本質的な問題は変わっていないことを突き付けられた.
精神科医療改革に向けた道のりは険しいが,社会の課題に目を向け続け,いのちと人権を守るために,諦めない運動と実践を進めていく.
(所報編集委員会)



