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2019(R1) TOPICS

  • 執筆者の写真: 宗野 文
    宗野 文
  • 2020年3月31日
  • 読了時間: 3分

更新日:2月21日

活動方針

 未来を拓く つなぐ・つくるプロジェクト始動




所報やどかり「はじめに」より やどかりの里は精神障害のある人が福祉施策の対象とならない時代から,彼らの「ごく当たり前の生活」の実現を目指し活動を開始した.そして2020年,創立50周年を迎えた.


1970年,民間精神科病院のソーシャルワーカーであった故谷中輝雄氏が院外作業先であった工場の2階を借りて中間宿舎の取り組みを始めたのが,やどかりの里の出発である.


閉鎖的な精神科病院の中で長く過ごした人の多くが日常生活の感覚を奪われていた.


彼らの「生活のしづらさ」への支援,やどかりの里の活動の大きな目標となった.


その後の生活支援活動の充実と労働支援活動の広がりは,メンバーがどう生きるかの選択肢を広げ,多様な生き方を支えてきた.


30周年を記念して行われたメンバーと職員への生活状態調査から,長年の実践を通して築いてきた価値観を普遍化し,競争優先ではない社会をつくることがやどかりの里の使命であることが導き出された.


やどかりの里には,過酷な体験をしてきた精神障害のある人が自分を取り戻す時間と空間があり,それはやどかりの里の文化といえる.


それに対し,効率が求められる競争社会では,生き直しを許容する力が弱く,新たな生き方を模索しつつも,孤立する人たちが大勢いる.


今年度より始動した「未来を拓く つなぐ・つくるプロジェクト」は「見沼の文化とSDGsを意識した共同創造のソーシャルファームづくり」をテーマに,地域で孤立しがちな人たちにとっての居場所,働く場,よろず相談ができるソーシャルファームづくりを構想している.


やどかりの里は精神保健福祉を基盤とした活動から生まれたつながりだけではなく,食や農,創作活動などを通して,多様で重層的なネットワークを広げてきた.


その分野を超えた他領域の人たちと見沼の地について話し合う機会を持ち始めている.


その構想では,やどかりの里の活動は地域の一部分の取り組みであり,これまでの精神保健福祉活動の実践からみえてきた価値を社会の中で普遍化することにも通ずる可能性がある.


誰もが安心して暮らすことのできる地域づくりに取り組む第一歩を踏み出した.やどかりの里は数えきれない人の願いと支えがあって50年という長く険しい旅路を歩み続けてきた.精神障害のある人のごく当たり前の生活の実現には,精神医療や所得保障などの変革が大きな課題である.


社会の深部に潜む優生思想にも向き合わなくてはならない.誰も取り残さない社会を目指している仲間は, やどかりの里に,地域に,全国に,世界にいることが,50年にわたる実践の中から見えてきている.その仲間たちとこれからもやどかりの里は歩み続ける.


(所報編集委員会)


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