top of page

誰もが,自分の物語を生きています. その歩みは,どれも同じではなく, ときに迷い,ときに悩みながらも,少しずつ前に進んでいくもの. その物語が,自分らしく紡がれていくためには, 安心して過ごせる日々と,そばでいっしょに歩んでくれる誰かの存在が欠かせません. 私たちは,そうした日々の積み重ねを「ごくあたりまえの生活」と呼び,その実現を,地域のなかでていねいに築いてきました. 「ごくあたりまえの生活」― それは,「人並み」と言われる暮らしではなく,1人ひとりの「こう暮らしたい」という思いが尊重されること. 自分らしく,無理なく,安心して過ごせる日々のことです. やどかりの里は,そんな暮らしを,地域のなかで出会った人たちとともに,紡いできました. 私たちは,障害を「生活のしづらさ」として捉え,その人自身だけでなく,まわりの環境や関係性にも目を向けます. ときに立ち止まりながら,いっしょにできることを考え,ともに歩んでいく― そこには,支える・支えられるという関係を超えた,対等なつながりと,学び合いが育まれています. 私たちは,この関係を「とも育ち」と呼び,大切にしています. 小さな実践のひとつひとつが, 誰かの日常をそっと支え,そのつながりが,少しずつ広がっていく― そんな営みの先に,地域に,より開かれた関係が生まれる未来が見えてきます. 一人ひとりが,自分に合った暮らし方で,無理なく,安心して日々を重ねていけること. そんな「あたりまえ」が,大切にされる社会へ. 私たちは,その歩みを,これからも続けてまいります.

​活動理念

やどかりの里が大切にしているのは, その人にとって「ごくあたりまえ」と思える日々の暮らしです. それは,周囲と同じように生きることではなく, 無理なく,自分らしく過ごせる時間を重ねていくことです. こうした思いは,日本国憲法や障害者権利条約にも通じています. そこには,障害のある人もそうでない人も,すべての人が等しく人権を持ち, 自分らしく暮らせることがうたわれています. やどかりの里では,障害を「生活のしづらさ」として捉えてきました. それは個人の問題ではなく,環境や社会との関わりのなかで生まれるものだと考えています. だからこそ,「その人を変える」のではなく, 「その人とともに変わっていく」ことを大切にしています. ときに立ち止まりながら,いっしょに考え,工夫し, できることを少しずつ形にしていく――そうした実践を積み重ねてきました. その営みのなかで育まれてきたのは,支える/支えられるという関係をこえて, ともに生き,ともに学び合う関係です. この「とも育ち」とも言える姿勢こそが,やどかりの里の特徴です. そして今も,誰もが安心して自分らしく生きていける社会をめざし, 学び合い,声を届け,つながりを広げる取り組みを続けています.

活動理念
活動方針

やどかりの里では,かかわる一人ひとりが「主人公」です.
それぞれの思いや意見を大切にしながら,
日々の暮らしや活動を,いっしょに考え,つくっていきます.

病気や障害があっても,
健康に気をつけながら暮らすこと,働くこと,活動を続けること―
そんな日々の積み重ねの中で,たくさんの体験や知恵が生まれます.

その知恵を分かち合い,
社会全体の気づきや学びにつながっていくことを願っています.

さいたま市をはじめ,埼玉県内,そして全国の仲間たちと力を合わせて,
誰もが自分らしく暮らせる地域社会を,これからもともにつくっていきます.

<活動の柱> 1.主体的に考え,動く  自分の思いを出発点に,考え,行動しながら,やどかりの里をともにつくる. 2.支え合いながら,地域に根ざした福祉を広げる  医療とは少し異なる視点から,回復やつながりを支える福祉を,地域のなかで育む. 3.安心できる精神科医療を目指して  納得して受けられる安心な医療を実現するために,関係者とともに患者中心のあり方を考え,広げる. 4.協力しながら,働く場をひらく  競争ではなく協力し合い,地域の人や施設・企業とともに働く場を広げる. 5.くらしを支える仕組みを守り・育てる  人としての権利が守られるよう,社会保障や施策がよりよくなるように,行政や関係機関に働きかける. 6.応援してくれる仲間を増やす  活動を支えてくれる人を増やし,ともに続けていける力にする. 7.地域の中でともに生きる  地域の人たちと出会い,つながりを育てながら,まちに根ざした活動を育む.

素材-39.png
19_masuda.jpg
​増田 一世

​代表理事

ご挨拶

やどかりの里は,1970年に,精神障害のある人たちとともに地域で暮らすことをめざして,その歩みを始めました.


病院の外で,ごくあたりまえの暮らしを営むことがまだ困難だった時代.制度も補助金もなく,資金も経験も十分ではありませんでしたが,私たちは「ともに生きる地域をつくりたい」という願いのもと,小さな実践を1つ1つ積み重ねてきました.

「病気や障害があっても,自分らしく暮らせることはあたりまえのこと」――
その思いを胸に,さまざまな困難に向き合いながら,支え合う人の輪を広げてきたこの半世紀の道のりは,私たちにとって,何よりの宝物です.

活動のなかで私たちは,誰かが誰かを一方的に支えるのではなく,それぞれの思いや選び方が尊重され,対等な関係のなかでともに歩んでいくことの大切さを学んできました.
そうした営みの先にあるのが,「1人1人が主人公」という私たちの合言葉です.この言葉には,やどかりの里の根幹が込められています.

現在では,就労・住まい・地域活動など多様な場をひらきながら,約300人のメンバーが,地域のなかでそれぞれの生活を営んでいます.その日々は,支援される/するという関係を超えて,「共にある」ことの豊かさを教えてくれます.

これからも,障害や病気があっても「生きていてよかった」と感じられる地域を,みなさんとともに築いていきたいと願っています.今後とも,やどかりの里の活動にあたたかなご理解とご協力を賜れましたら幸いです.

あゆみ

やどかりの里は,1970年に,精神障害のある人の地域での暮らしを支えることを目的として設立されました.当時は,制度や補助金も整っておらず,手探りのスタートでしたが,地域に根ざした暮らしの実践を,地道に積み重ねてきました.

こうした取り組みは,精神障害のある人の退院・地域移行を支える先駆的な試みとして注目され,のちに創設された精神障害者社会復帰施設制度(精神保健法に基づく)にも,大きな影響を与えました.

現在は,さいたま市を中心に,就労の場や住まいの場,地域活動支援センター,生活支援センターなどを運営し,障害のある人の地域生活を支える多様な取り組みを展開しています.法人全体では,約300名のメンバー(障害当事者)が,それぞれのかたちで関わっています.

​紹介動画
bottom of page