制度は整っても,備えは十分か

更新日:10月1日
7月28日,震度7を記録する地震が熊本地方で発生しました.
2016年にも2回の震度7を記録し,今回2度目の甚大な被災となりました.
1日も早い日常生活を取り戻せるよう,私たちも募金活動など,今できることに取り組んでいきます.
我が国においては,2011年3月11日の東日本大震災から震度7を記録した地震は6回(震度6強以上だと18回)起こっており,首都直下型地震や南海トラフ地震など今後30年間に70~80%の確率で発生すると想定されています.
最近では富士山噴火による降灰被害対策も呼びかけられています.
従来の想定をこえた千葉県での豪雨災害もあり,現在では地震対策や豪雨対策という1対1の対応や従来の対策では不十分であり,季節における酷暑や寒波,時間帯における流入人口増なども考慮した複合的,総合的災害対策とともに長期にわたる停電・断水等への備えも必要とされています.
さいたま市の人口は約136万人(男女比50.5:49.5),0~14歳と65歳以上(災害時に配慮を要しうる層)の割合は35.7%となっています(8/1現在).
一方,食料等の備蓄状況は「避難想定者約12万3千人の1.5日分」を各避難所の防災倉庫等に保管しています.
また全858自治会中801組織において自主防災組織が結成され,備蓄品等を整備していますが,十分確保されているとは言えず,私たち全員に即時に水や食料等がいきわたる,ということは困難であるといえるでしょう.
避難所収容人数も限りがある中,現在では自宅避難が基本とされており,3日間の食料や水の準備が推奨されてきましたが,簡易トイレと電力の確保を加えた7日間分の備蓄が標準となっています.
防災庁設置法が2026年7月に成立し,防災庁が11月に発足します.
「人命・人権最優先の『防災立国』の実現をすべく,平時から復旧・復興までの一貫した司令塔機能を担う(一部抜粋)」(内閣官房)とありますが,省庁の設置でただちに防災,減災への対応が十分整備された状態とはいえないでしょう.
私たちやどかりの里では,東日本大震災後すぐに災害対策特別委員会を設置し,減災に重点をおき,「被害の最小化」を目的とした災害発生時の対応と,安否確認行動手順の策定などを行いました.
現在では危機管理委員会に改変し,法人全体における防災減災への取り組みをすすめ,研修と訓練を通してBCP(事業継続計画)の見直しを行っています.
各事業所単位での備蓄品整備や,災害用トイレや電力の確保もすすめています.
防災部会も設置し,防災訓練の進行管理等も行ってきました.
特に安否確認訓練に重点をおき,メンバーからの安否報告方法を複数用意し,災害用伝言ダイヤルの利用も併せて訓練を行っています.
高い確率で起こりうる災害に対し,被害を最小限にするために,行動原則の学習と訓練を重ね,共通理解を深め,これからもメンバーとともに日常的に防災・減災に備えていきます.
(田中 学)




