やどかり研究所

研究を力に,実践を未来に,運動を希望に

ごあいさつ
やどかり研究所は,1970年に始まったやどかりの里の歩みとともに誕生しました.
当初は,精神障害のある人への理解を深め,職員の専門性を高めることを目的に,研究活動がスタートしました.
やがて研究は,日々の実践のなかで見えてきた課題や,当事者の語りから生まれる問いを出発とするようになっていきます.
実践の記録を丁寧に残すこと,支援のあり方を問い直すこと,制度や社会の仕組みに目を向けること――そうした取り組みの中で,やどかり研究所の視野も,少しずつ広がってきました.
2001年には,精神障害者福祉工場「やどかり情報館」の設立にともない,研究所はその一部門として再出発します.
ここでは,障害のある人自身が経験や思いを社会に発信する機会が広がり,研究所の役割も,当事者の参加と対話を大切にした,開かれた実践と学びの場へと変わっていきました.
やどかり研究所では,当事者・実践者・研究者が共同で代表を務める「共同代表制」を採用しています.
専門性や立場にとらわれず,それぞれが一人の参加者として関わり合うことで,日々の対話や実践から,新しい視点や気づきが生まれています.
こうした対等で開かれた関係性こそが,やどかり研究所の大きな特徴です.
ここは,専門家のための場ではありません.
支援の現場で感じた違和感をことばにしたい人,ともに考え,社会に問いかけてみたい人,誰かと語り合いたい人.どんな立場の方でも,ここでの対話に加わっていただけます.
私たちの問いかけに,ぜひあなたも加わってください.
やどかり研究所は,現場とともに,地域とともに,精神保健福祉の新たなかたちを,ともに考え,ともに築いていきたいと願っています.
