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写真と言 葉09

手川深雪
話しを聞き終えて、何度もチャレンジし、何度も挫折しながらも、踏ん張ったことで、今があるだろうと思えた。
50歳を超えたことで、時間の使い方に落ち着き、そこに静かな幸せを感じているように見えた。
出身はさいたま市南区。
最初の仕事は、和菓子の風月堂だった。しかし上司との折り合いが悪く2年で辞めることになった。
事務の仕事もしてみたいと、今度はパソコン教室に4ヶ月通い、その学びを活かすため、コンビニなどにお弁当を卸す会社の電算室で働くことになった。しかし、ここも2年で辞めることになるが、すぐに次の職を探し、今度は東十条で、夢だった一人暮らしをしながら、西川口まで電車通勤した。
18万円のお給料のうち、6万5千円の家賃は大きな負担だったが、楽しい一人暮らしは、半年間続いた。
ある時、両親に連れられ、買い物でもいくのかなと思っていたら、そこは病院でした。
ここにサインをしてくださいって、言われるがまま書いたら、男性二人の看護師に羽交締めにされ、病室に連れて行かれました。
外来で、『悪魔が来る!』と、叫んでいたことを思い出します。調子が悪かったんですね。
通院の経験もなく、いきなりの入院でした。
今はなき父親から、この時を大切にしろ!と言われました。社会にしがみついて頑張ってきたからこそ、入院中の孤独感との葛藤の日々でした。
「私、犬がなによりも好きなんです。自宅にはダックスフンドの小次郎が待っています。本当の夢はトリマー。動物が好きなんです。特に犬!」
犬の話題になると、満面な笑みを見せ、何よりの幸せが家で待っていると言わんばかりの表情を見せた。
一人暮らしは、「いずれそうなるだろうから、今を大切にします」と、満足げに語ってくれた。
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