一人ひとりが主人公
「ごくあたりまえの生活」を
公益社団法人
































地域のなかで
一人ひとりが主人公


誰もが,自分の物語を生きています. その歩みは,どれも同じではなく, ときに迷い,ときに悩みながらも,少しずつ前に進んでいくもの. その物語が,自分らしく紡がれていくためには, 安心して過ごせる日々と,そばでいっしょに歩んでくれる誰かの存在が欠かせません. 私たちは,そうした日々の積み重ねを「ごくあたりまえの生活」と呼び,その実現を,地域のなかでていねいに築いてきました. 「ごくあたりまえの生活」― それは,「人並み」と言われる暮らしではなく,1人ひとりの「こう暮らしたい」という思いが尊重されること. 自分らしく,無理なく,安心して過ごせる日々のことです. やどかりの里は,そんな暮らしを,地域のなかで出会った人たちとともに,紡いできました. 私たちは,障害を「生活のしづらさ」として捉え,その人自身だけでなく,まわりの環境や関係性にも目を向けます. ときに立ち止まりながら,いっしょにできることを考え,ともに歩んでいく― そこには,支える・支えられるという関係を超えた,対等なつながりと,学び合いが育まれています. 私たちは,この関係を「とも育ち」と呼び,大切にしています. 小さな実践のひとつひとつが, 誰かの日常をそっと支え,そのつながりが,少しずつ広がっていく― そんな営みの先に,地域に,より開かれた関係が生まれる未来が見えてきます. 一人ひとりが,自分に合った暮らし方で,無理なく,安心して日々を重ねていけること. そんな「あたりまえ」が,大切にされる社会へ. 私たちは,そ の歩みを,これからも続けてまいります.


『やどかりの里』という名前には,ヤドカリが成長に合わせて,自分に合った“殻”を見つけていくように,1人1人が,自分にとって心地よい暮らしのかたちを選び,自分らしく生きていけるように――そんな願いが込められています.
また,「里」という言葉には,人が集い,つながり合いながら,ともに暮らしていく場所という意味があります.
私たちも,地域の中で出会う人たちと支え合いながら,それぞれが,自分らしく過ごしていける社会を,少しずつ築いていきたいと考えています.
