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総括会議

  • 執筆者の写真: 渡邊 奏子
    渡邊 奏子
  • 3月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:4月24日

2025年度は,やどかりの里創立55周年の節目の年であった.先達の語りが詰まった記念出版や式典を通じ確認された「対話・協働・つながり」を軸に据えた活動づくりを,改めて考えることが求められている.2月14日に開催された総括会議では,参加したメンバー,家族,職員が60周年に向けて何ができるか1人1人が意識し,議論する時間となった.


人権と生存権を問い直す2つの裁判

情勢報告では,旧優生保護法被害裁判と生活保護基準引き下げをめぐる「いのちのとりで裁判」の現状と課題を共有した.これらの裁判は,生存権や人権が十分に守られてこなかった現実を浮き彫りにしている.


また,さいたま市では,障害のある人と高齢の親が暮らす世帯が抱える課題等に対し,地域生活支援拠点機能の整備や庁内連携が進む一方,当事者に届く具体的な施策化には至っていない現状についても共有された.


現場の実践と状態調査

各事業の総括報告では,制度や業務の複雑化により見通しを立てにくい状況がある一方,他団体との交流から学びを得る機会も生まれ,地域の多様なつながりが活動のヒントとなっていることが共有された.メンバー交流会議や浜砂会,おやじの会からは,思いを語り合う場の大切さが伝わる報告があった.


また,これからの活動の方向性を考える手がかりとして実施された,職員とメンバーを対象とした状態調査の内容や調査団のまとめも報告された.やどかりの里の価値と実践を共有し,多様な担い手とともに学び合いながら,精神医療・精神保健福祉の課題に向き合い,地域とのつながりを深めていく必要性が,語り手となった職員・メンバーの暮らしや労働の実態から浮かびあがってきた.


60周年に向け実践をつくり続ける

参加者からは,制度や社会状況の変化に応じて支援の在り方を見直す必要性や,地域との関係を広げていくことの大切さが語られた.また,メンバーが経験を語り合う場づくりや,若い世代の職員が意見を出し合える環境づくりなど,実践を支える基盤に関わる意見も出された.


60周年に向け,やどかりの里が大切にしてきた「対話・協働・つながり」を軸に,どのように実践をつくり続けていくかが改めて問われている.制度の枠にとらわれず,工夫して活用するという発想の転換には,法人・分野・地域を超え視野を広げることがヒントにつながるのではないか.グループ討論では,参加した家族から「メンバーの姿が見えない報告だった」という言葉も聞かれた.職員主導ではなく,メンバー,家族,職員がそれぞれの力を持ち寄りながら,自由な発想で未来を見据え,ともに実践をつくり続けていくことこそが,60周年へ向かう歩みにつながるだろう. 



    

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